三重県熊野市 西ノ峯山(593.4m)、妙見山(670m)、鷲ノ巣山(807m)、鵯山(813.0m)、高チラ山 (625m)　2012年1月2日

所要時間
　6:59 神社−−7:07 地滑り地−−7:17 林道−−7:19 熊野古道−−7:22 坂ノ峠−−7:59 西ノ峯山−−8:38 見渡�ｰ−−8:47 西ノ峯山/妙見山/鷲ノ巣山分岐 8:50−−9:10 妙見山 9:14−−9:31 西ノ峯山/妙見山/鷲ノ巣山分岐−−10:07 露岩から斜面を巻く−−10:26 登山道−−10:32 鷲ノ巣山 11:01−(判断に迷って5,6分ロス)−11:26 鵯山−−11:45 鷲ノ巣山　11：51−−12:25 高チラ山−−12:42 登山道を離れる−−12:55 林道−−13:15 神社

概要
　阪本川沿いの神社を起点に阪本川源流部を反時計回りに周回。坂ノ峠への林道、熊野古道は大雨による地滑りで崩壊し通行止めだったが、崩壊地帯を登った。坂ノ峠からしばらくは尾根は不明瞭で適当に登るが主に植林で籔無し。尾根が明瞭化すると目印が多数登場する。西ノ峯山は樹林で展望なし。この先で尾根が細くなり踏跡も明瞭化する。654m峰手前の600m肩は巨大な露岩で「見渡�ｰ」の標識があり展望地。妙見山へは立派な道があり、最後は露岩帯を登って妙見山てっぺんへ。ここも樹林。鷲ノ巣山へはしばらくは作業道？に従って稜線を行くが、標高720mから上部は露岩が断続する急斜面で危険と判断し、南に迂回して南尾根から鷲ノ巣山へ上る。踏跡＆目印あり。鷲ノ巣山は山頂南側は伐採されて南側の展望あり。そこから鵯山を往復。鞍部までは露岩の痩せた尾根だが危険個所は無し。鞍部より先は植林の広い尾根に変わる。山頂は植林で展望皆無。鷲ノ巣山かた高チラ山は明瞭な道が続くが太い道は高チラ山東側を巻くので、道が稜線を離れたらそのまま尾根上を行く。高チラ山も樹林で展望なし。道は南西尾根を下るため起点の神社から離れるので標高450mくらいで道を外れて東に下り阪本集落上部の林道へ出た

　昨日に引き続き、県道52号線、県道40号線、国道311号線に囲まれた山域へ。今日は鵯山から東側で、妙見山が少し東に飛び出ているがせっかくなので登ってみよう。ここは阪本川源流部の南側に開いた馬蹄形山脈であり、ループを組むのが効率的だ。事前のネット検索では高チラ山へは南西側の「さぎりの里」から道があることを知ったが、そこは阪本川から離れており下界での移動距離が長くなる。周回起点を川沿いの神社マークとすると、西ノ峯山は林道を歩けばいいが、高チラ山側は道が無い南東斜面を適当に行くのが効率がいい。時計回り/反時計回りのどちらがいいか考えたが、等高線が込み合って急斜面の鷲ノ巣山東側斜面を下るのはリスクが高いと考え、もし南に巻くとしても登りで使った方がルート判断は格段に楽になるので、反時計回りとした。ただし、この場合は下りで使う高チラ山南東斜面は尾根形状は不明瞭で下りは難易度が高くなることが欠点となる。まあ、たぶん植林で籔は無いだろうから方向だけ決めて適当に下っても大丈夫だろう。

起点とした神社	神社付近の踏跡入口。利用しなかった

　国道を離れて中地、上地集落を通過、阪本川左岸に目標の神社が登場、坂ノ峠へと林道が延びているが地滑りで通行止めとの看板が。入ってみたが数100m進んだところの谷沿いで広範囲に土砂が押し出して車は完全に通行不能。歩く分には大丈夫だろう。起点は神社となった。まずは神社裏に西ノ峯山登山口が無いか確認したが全く踏跡無しで、当初計画通り坂ノ峠を目指す。歩き始めてすぐに斜面に入る道があったが、入ってみると阪本川沿いに登っていくようだったので諦めて再び林道へ。

地滑り地帯。完全に通行止め	地滑りの谷を登る
熊野古道も地滑りに飲み込まれている	現在、復旧工事中

　地滑り地帯は少しガレた場所はあるが、ルートを選べば普通に歩ける区間が多く、乾燥したこの時期なら危険は無い。ここは林道及び熊野古道が通っていた場所で、復旧工事中だった。

地滑りの上は普通の林道	熊野古道入口
石畳が続く	案内標識
坂ノ峠	坂ノ峠より東側も地滑り発生らしい

　地滑り帯を通過すると林道が復活、少し進むと左に熊野古道が分岐、南側にはピークが見え、どうもここが地形図の坂ノ峠のようだ。熊野古道に入り、どこか適当に斜面に取り付こうと考えたが古道は緩く登っておりしばし道に沿って歩く。やがて坂ノ峠の標識が登場し、その先はロープで通行止めであった。別の場所でも地滑りが発生しているらしい。

広い尾根に取り付く	自然林に突入

　ここで古道は水平移動に変わるため、ここで左手斜面に適当に取り付く。たぶん明瞭な踏跡があると予想していたが、植林中に明瞭な道があった。これが登山者のものなのか、それとも林業作業用なのかは不明だったが、植林が終わって自然林帯に入ると道が消えてしまった。目印は点在するが踏跡と言えるようなものは存在せず、籔も無いので適当に上を目指す。この辺は尾根がバラけているが登る分には影響なし。

尾根が狭まると目印登場	この後は目印が続く
露岩からの展望	こんな自然林が続けばいいのだが・・・

　標高430mを越えて尾根が明瞭化するとにわかに踏跡が復活、目印の数も急に多くなって、尾根上の踏跡は別の方向に続いているのかもしれない。まあ、今回は周遊コースで帰りにここを通ることはないので永遠の謎か(大げさな)。しばし植林帯を歩き、自然林を挟んで再び植林へ。どこも目印が目立ち、正式登山道は無いが結構な人が入っているように見えた。

山頂近くは緩やかな登り	西ノ峯山山頂
よく見かけるFCC新宮の登山靴型山頂標識	これも良く見かけるフクロウの絵の標識

　傾斜が緩んで山頂かと思いきや、意外に長く極緩やかな登りが続き、ようやく山頂標識が登場。これまでも樹林帯で展望はほぼ無かったが、西ノ峯山山頂も植林に覆われて展望皆無だった。しかし、今は冷たい北西の強風が吹いており、樹林で遮られるので大いに助かる。上空は晴れているのだが良く見ると綿ぼこりのような細かい雪が舞っており、大峰や大台ケ原で発生した雪雲のかけらや雪が飛ばされてきているらしい。この辺では積もるほどではないが、もっと県境に近い山は吹雪だろう。

妙見山の文字あり	尾根が痩せ照葉樹林に
樹林の隙間から見た鷲ノ巣山	尾根が広がると植林帯に
510m鞍部	510m鞍部の標識

　西ノ峯山を通過すると尾根が急激に細くなり、踏跡も今までより明瞭になり下りでも間違える可能性はほぼ無くなる。ただ、風を受け止める木が少なくなるので今までより寒く、長袖シャツを着込んだ。植生は尾根が痩せた部分は照葉樹の自然林で、580m峰を越えて以降の尾根が広がった部分は植林だ。510m鞍部では標識があり、左は「阪本(65分)　ミクラ池(50分)」、直進は「見渡�ｰ(20分)　鷲ノ巣山(115分)　妙見山(105分)」だ。ここから阪本に下るルートがあるとは知らなかった。まあ、本当に道があるわけではないかもしれないが、激藪に突っ込んだり崖で下れないなんてことはないのだろう。直進方向に「鷲ノ巣山」とは心強い。地形図では途中で破線が消えているがちゃんと道があるのだろうか？　そしてそれは東斜面を登るものか？

654m峰へ向けて登る	植林と自然林の混じった尾根
露岩にはフックスロープが下がる	620m肩の露岩の標識
見渡�ｰから見た西ノ峯山	見渡�ｰから見た南方の山々
見渡�ｰから見た東方向

　なおも尾根を北上、思ったよりまともな道が続く。654m峰手前の620m肩では大きな露岩が登場。こんな場合は通常は巻くのだが、どうも左右どちらも絶壁で巻くのは不可能らしく、上からフィックスロープが下がっていた。基本的には巨大な花崗岩の1枚岩で表面の凹凸が乏しいが、尾根上は垂直の壁ではなくまあまあの傾斜だし凸凹が全く無いわけではなく、手掛かり足がかりはあってロープ無しでも登れる程度であった。ただし、もしコケたら止まらないかも。露岩てっぺんには「見渡�ｰ」の標識があり、その名のとおりで今までの鬱憤を晴らすかのような大展望で(ただし北側を除く)、眼下には西ノ峯山と谷を挟んで反対側には高チラ山が。東側には南に延びた尾根の先端に烏帽子のように飛び出たピークが見えるが、まさかあれが妙見山？　樹林に覆われているが、あの地形は露岩確実だろう。さて、山頂に登れるのだろうかと不安になる。

654m峰へ	654m峰
654m峰から下る	妙見山〜鷲ノ巣山の縦走路合流

　露岩を通過すると再び樹林に埋没、654m峰を越えて下ると明瞭な道に合流。これが妙見山や鷲ノ巣山へと東西に続く稜線だろう。標識はあるのだが、今まで歩いてきた方向に案内がなく、西ノ峯山方面に行こうとしても地図を見ながら歩くか事前に調査しておかないと気付かず通過してしまうだろう。立っている標識も古そうだったので劣化して倒れてしまったのだと思う。ここでメインザックをデポして軽装で妙見山に向かう。天候は基本的には晴れているが、時折雪雲が覆って横殴りの吹雪模様だ。しかし樹林が深いため雨具は不要でほぼ体が濡れることもない。今日はこの場所を選択して正解だった。

妙見山へ向かう	廃TV中継所
中央ピークが妙見山	600m鞍部付近の標識

　なだらかな稜線を東に進むとパラボラと八木アンテナが立ったTV中継所が登場。エレメント長から推察してUHF TVの中継所だったようだが今は電力線は撤去され、使用されていないらしい。UHFなら地デジに再利用できると思うのだが、どこかに集約したのだろうか。その先の600m鞍部にも廃中継所があった。鞍部は風が集中し、横殴りの吹雪だったが雪の量は少ないため周囲は真っ黒のままだ。デジカメで撮影したがうまく雪が写っているだろうか。鞍部南から梯子が登ってきており「横垣峠登り口」の案内標識が。地形図に破線が描かれているが、この道は今でも生きているらしい。東方向は「妙見山(妙見倉)」の表記。これが山頂を示すものか明確ではないが、どうやら道があるらしい。

600m鞍部から東を見る	道を外れて尾根の登りにかかる
登山道に出た	上部は露岩が目立つ

　いよいよ問題の妙見山の登りにかかる。明瞭な道は南を巻き始めたので植林の急な尾根に取り付く。目印が点在するので同じようにてっぺんを目指す人がいるようで心強い。かなりの傾斜をよじ登ってくと予想通り上部に露岩が見えてきた。直下までは行けそうなのでそのまま登ろうとしたが、目印は途中で右にトラバースしていたのでそれに従うと明瞭な道に出た。たぶん南に巻いた道の続きではなかろうか。急斜面をジグザグに登っていくが、安全なルートを選んで道がつけられているので安心して歩けた。フィックスロープもあったが使う必要性は感じなかった。

妙見山(妙見倉)山頂

　最高点より手前でなぜか山頂標識があったが、その後も安全な道が続いていた。尾根に上がると普通の樹林で岩の上にいる感じがしないが、東側はすっぱりと切れ落ちているようだ。南に曲がって最高点に出るが、目印はあるが山頂標識はなかった。GPSの電源を入れて位置を確認したが、ここが間違いなく山名事典の山頂であった。ここも自然林に覆われて展望無し。風が冷たかった。よかったぁ、真の山頂に立てて。

600m鞍部から西を見る	デポしたザックを回収
640m峰の北を巻く	次の640m峰は南を巻く
こんなテープあり	この付近は明瞭な道

　デポしたザックまで戻り、次の鷲ノ巣山を目指して西に進む。明瞭な道が続き、稜線上を素直に行くのかと思ったらピークはことごとく南側を巻いてしまう。わざわざ「巻き道」の標識まであったので、これが正式登山道なのだろう。北風が遮られて大いに助かった。

尾根上にルートが戻る	鷲ノ巣山東側の尾根か？
道が薄く尾根を外れると判別不能	尾根を登ることにする

　最後の610m鞍部より先は登り地形に変わるので巻き道は終了して道は尾根上に移ると同時に、杉の落葉で道がはっきりしなくなる。ただし、ルートは尾根上であり目印もあるので迷う心配はない。尾根上は雪交じりの冷たい北風が吹き付けて滅茶苦茶寒かった。しかし、標高660m付近で尾根の傾斜が立ち上がる手前で尾根を直進したら目印が消失、どうもどこかで左(東)に逃げたようだ。周囲は杉の落ち葉で踏跡の判別はできなかった。

照葉樹が混じる	露岩が目立ってくる
これは登れず左を巻いた	その後も急斜面と露岩が続きそうな気配

　この先は問題の鷲ノ巣山の急斜面だ。さて、どんな地形が待っているだろうか。最初は植林の尾根で、やがて照葉樹が混じるようになる。少ないもののたま〜に目印があったが、巨大な露岩が立ちはだかった箇所でそれも完全消失。露岩は左から基部を巻いたが、その先の傾斜もえらく急で、樹林で見通しは悪いが見上げると露岩らしきものが点在しているような、いかにもヤバそうな雰囲気が。様子を見ながら登ってもいいのだが、今回はお助けロープは持っていないので行き詰ったときのことを考えるとちとリスクがある。そこまでして直登する意味はなく、予備ルートとして考えていた南尾根に迂回することにした。周囲は杉の植林で人の手が入ったエリアであり、トラバース不可能な地形ではないだろう。

まずは沢沿いに下る	巻けそうな傾斜になってトラバース開始
作業道に出た	斜面に取り付く
植林を登る	高チラ山からの道に合流。予想より道が薄い

　小さな沢沿いに下って傾斜が緩んだところでトラバース開始。できるだけ横に進もうとするが、ここにも露岩が登場して念のため下部を巻いたので少し標高を損する。小さな尾根を巻くとトラバースする作業道？に出くわしたが、これの行き先は不明なので、斜面の険しさが感じられなくなった適当なところで斜面に取り付いて上を目指す。もう露岩は現れず、平凡な植林の斜面で藪もなく淡々と高度を上げて尾根地形に合流。すると踏跡に複数の目印。予想より道が薄いがこれは間違いなく高チラ山からの道であろう。これで一安心。

尾根を登る	濃い照葉樹林

　あとは踏跡をただただ辿るだけで地図の出番もない。道の濃さは登山道レベルではないが、この目印の多さを考えると結構な入山者がいると思われる。ぐんぐん高度を上げて、最後は伐採したような開けた斜面を横切り、鷲ノ巣山山頂に到着した。

鷲ノ巣山山頂	鷲ノ巣山山頂から南側の展望

　行政の立てた山頂標識があるかと思いきや、いくつかの手製の山頂標識があるだけのささやかな山頂。てっぺんは樹林で展望はないが、僅かに南に下ると南側の展望が開ける。今は展望よりも日差しがありがたい。ここで日向ぼっこしながらランチタイム。今日も無人の山頂を独り占め。

西へと向かう	尾根が細くなる
この先で一時撤退。でも問題なかった	尾根上には標識あり

　さて、次の鵯山だ。ここは尾根通しで距離は近く、さほど時間はかからないと見てメインザックをデポして小さなアタックザックで出発。最初はなだらかだが明瞭な尾根をまっすぐ西に進むとやがて尾根が痩せて露岩が目立ってくる。目印も今までより少ない。行き詰まりはしないかとドキドキしながら進むと、やがて急激に高度を落とす箇所が登場、ここで尾根先端までちゃんと進めば足元に危険のないルートを見出せたのだが、私の場合は地形や植生の変化から「ヤバい気配」「露岩の気配」を察知することができ、完全に行き詰る前に周囲に迂回路を探すことがたまにある。今回もそのパターンで周囲に迂回路がないか確認したが全く無し。南側は無理に下ろうと思えば下れるが、目印はない。一度登り返して最後の目印がある箇所を探し、他に目印があるルートが分岐しないか慎重に探したが見当たらない。思い切って山頂直下で北側に迂回してみたが、踏跡と思しき気配皆無。こうなったらもう一度尾根上をよ〜く観察するしかなく、先ほどの「危険余地箇所」からさらに進んで先を伺うと、安全に着地できる尾根が続いていた。よかったぁ。無駄な時間を使ってしまった。これ以降も鞍部まで露岩の痩せた尾根が続くが、特段危険な場所はなかった。

740m鞍部。これ以西は穏やかな植林の尾根	目印あり
鵯山山頂	目立つ標識はこれだけ

　740m鞍部より西側はがらっと地形が変わり、露岩皆無で植林のおだやかな稜線が続いた。植林を緩やかに登り、ほぼ水平移動になってもまだ三角点は現れず、長いピークの西端に三角点と標識があった。鵯山はこの付近の最高峰であるが植林の真っ只中で展望皆無だった。

帰路の740m鞍部。東を見ている	往路で一時撤退した場所
露岩帯もこのレベル以上は登場しない	再び鷲ノ巣山

　鷲ノ巣山への往路も尾根を行く。もう全く心配なし。鷲ノ巣山へ戻ったが無人のまま。まあ、私が鵯山へ往復中に誰か来た可能性はあるが。それとも正月休みにわざわざ登る山ではないか？　それを東京から登りに来ているのだから、地元民からすると変わった人種に見えるだろう。

南へと下る	まずは尾根上を辿るがそのうち西を巻き始める
鵯山／鷲ノ巣山分岐	鵯山／鷲ノ巣山分岐標識

　さあ、高チラ山へ向かおう。少なくともそこまではまともな道が続くので問題は無かろう。踏跡と目印を頼りに尾根を下っていくと、途中で尾根西側を巻くように道が付けられ、途中で鵯山への分岐が登場。なんと、通常は鵯山は鷲ノ巣山経由で登るわけではなかったのだ。ただし、この道が740m鞍部に出るのか、それとも山頂付近まで別ルートで出るのかは分からない。

660m鞍部付近の西側巻き始めポイントの標識	左標識の直進(北)方向。たぶん妙見山方面

　その先の660m鞍部付近で巻き道が終わって高チラ山からの尾根に乗るが、高チラ山方面から来ると直進方向にも道があった。案内標識らしき物体はあるが文字は消えてしまっており、どこに向かう道なのか、それとも単なる作業道なのか不明だ。もしかしたら、この道の続きが私が鷲ノ巣山東斜面をトラバース中に出会った道であり、北上すると妙見山へと続く尾根につながっているのかもしれない。一方、高チラ山や鵯山方面の標識はさほど古くはなく、ここを歩くほとんどの人は私のように阪本川源流部を周回して妙見山方面まで足を延ばす人はいないということなのだろう。

余計なピークはことごとく巻く	露岩
露岩から見た西ノ峯山	たぶん600m鞍部にあった目印
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露岩から見た鵯山、鷲ノ巣山

　この先は尾根上をいくが、余分なピークは巻いてしまい効率的だ。詳しい場所を覚えていないが、680m峰と630m峰にに挟まれた620m鞍部か、630m峰と620m峰に挟まれた600m鞍部のどちらかで、赤テープに左に巻く方向に「クド石」、左下に下る方向に「岩洞院」の文字が書かれていた。「クド石」がどこを指すのか不明だが「岩洞院」は上地集落上部にあるお寺で、地形図にもお寺マークが出ている個所だ。この稜線の東側は急斜面の連続で安全に下れる場所など無いと思っていたがそうでもないらしい。ただし、道のグレードは不明であるが。

高チラ山北側鞍部で登山道は東を巻き始める	山頂目指して尾根を登る

　680m峰、630m峰とも西から巻いてしまい、このまま道を進むと高チラ山本体も巻いてしまう可能性が高く、GPSで位置を確認しながら道を進み、登山道が稜線東を巻き幕始めたところで道を外れて尾根を登る。GPSの残距離から考えてこのピークが高チラ山に間違いない。稜線上には踏跡、目印があり、ちゃんと山頂に登る人も多いようだ。ただ、何も考えないで登山道を歩くといつの間にか巻いて通過してしまうだろう。なお、巻き道の南北入口とも高チラ山の案内標識は見当たらなかった。

さすがに道は薄いが籔もない	高チラ山山頂

　自然林、植林の入り混じった尾根を登り切ると高チラ山山頂に到着。樹林に覆われて展望皆無、いくつかの手製標識がかかっているが広場があるわけでもなく、ぱっとしない山頂であった。しかしここも本日の重要な目的地。これで計画通り、目的の全山の山頂を踏むことができた。あとは下山。このまま東斜面を下ると絶壁にぶち当たるので、少し南に下ってから東に下る予定だ。

南に下る	目印あり
植林帯で登山道に合流	「神武天皇遙拝標」の石碑

　植林の尾根を南に下ると、最後は踏跡がバラけて東を巻く縦走路に合流、そこから間もなく「神武天皇遙拝標」と書かれた石碑が立っていた。

石碑から稜線東を巻く道に入る	巻きながらも道は南西に進んでいた
ここから道を外れて東に進路変更	シダ籔区間突入。あまり濃くない
籔無し杉植林帯が長く続く	この下部が林道

ここで稜線を離れて東側に下る明瞭な道が登場、喜んで入るが尾根東側を巻きながら南西に下っていき、一向に東向きにならない。それなら適当に東へと斜面を下ればいいのだが、イヤらしいことにこの界隈の斜面は東海、関西方面特有のシダ籔に間伐後放置された人工倒木が混じり、どうみても歩きにくそうだ。廃道でもいいから作業道でもないかと探しながら下るとシダに覆われた筋を発見。それに乗ってできるだけ東向きになるよう下っていく。小尾根に乗ったがどうやら標高450m付近から南東に分岐する尾根らしく、このまままっすぐ下ると車を置いた神社から離れてしまうため東に向きを変える必要がある。幸い、シダ籔区間が終わって籔無しの植林帯に入ったので左へとトラバース気味に下っていく。濃い植林で下界が見えないが、こんな感じで適当に下れば必ずどこかで集落に出るので細かいことは気にしない。気にするのはいきなり人家の敷地に出ないかどうかだ。「着地点」は畑あたりが無難だろう。

林道に出た	下ってきた北斜面
林道脇の石碑群	阪本集落に出た

　谷地形を横断し植林を延々と斜めに下り続けたらいきなり林道に飛び出した。地形図に書いてある阪本集落最上部の林道なのか全く判断が付かないが、とにかくこれを辿れば集落に出るのだけは確実なのでそのまま道を歩き、ショートカットできそうな場所はショートカット。最後は舗装道路に出て集落へ。後から地図と見比べて分かったのだが、私が出た林道はまさに地形図に出ている道であり、偶然にも理想的な場所にたどり着いたのであった。

阪本集落から見た西ノ峯山	阪本集落から見た高チラ山
案内看板。車を置いたのが折山神社	岩洞院から高チラ山北側に出られる道がある？
阪本川から見た北側半分の展望
阪本川から見た見渡�ｰ	スイセンが咲いていた

　あとは集落の中の道を歩いて神社へ。朝方舞っていた雪はもうなく、日差しいっぱいで暖かかった。

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